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停電や災害への備えとして、近年関心が高まっている蓄電池。似た設備としてUPSが挙げられますが、いったいどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、蓄電池とUPSの特徴や、代替として使えるかどうかなど、違いについて解説しています。
蓄電池とUPSの大きな違いは、基本的な役割にあります。蓄電池は、停電時に長時間の電気供給が可能なのに対し、UPSは家電へ一時的に電源を供給させることが目的です。例えばPCを正常に終了させるなど、短時間の利用を想定しています。
また、蓄電池は直流の電気を貯め込む一方、UPSはインバーターが組み込んであり、交流電気を供給できるようにしています。
蓄電池とは、何度でも繰り返し充放電可能な設備のことをいいます。一般的には家庭用の大きなものを指しますが、PCやスマホなどのバッテリーも蓄電池の一つです。
家庭用の蓄電池は、電気を貯めておくことが可能で、必要な時には照明などの機器に電気を供給できます。また、災害への備えにもなり、停電時であっても長時間の給電が可能です。
UPSは、バッテリーなどの蓄電池とインバーターを内蔵した装置です。無停電電源装置とも呼ばれています。通常は家庭のコンセントに接続して電源を供給される一方、停電時はすぐに電源がUPSへと切り替わり、接続された機器に一定時間電気を供給できます。電源トラブルや不測の事態に備えられるのが特徴で、一般家庭はもちろん、民間企業のサーバーやオンラインのシステムなどでも取り入れられています。
UPSは蓄電池と比べて安価で、場所を取らないコンパクト設計の製品も少なくありません。しかし、UPSを蓄電池の代替として使うことはできないのです。
一般的な家庭用の蓄電池は充電できる容量が多く、停電した時でも数時間は電気を供給する能力があります。配電盤と接続されるため、照明などの設備に電気を供給することも可能です。また、料金が安い夜間に電気を貯め、昼間に使うなど、柔軟に運用できるのも特徴といえます。
一方のUPSは、電源トラブルや停電が起こった際、機器を正常に終了させる電源を供給することが目的です。充電容量も少ないため、機器へ短時間しか給電できません。非常用の電源装置であり、日常的に使えるものではないのです。ただ、PCなどの機器を停電から守りたい場合には検討の余地があります。
蓄電池とUPSは、どちらも電気を貯め込む点では似ています。しかし、蓄電池は長時間の電源供給も可能なのに対し、UPSは非常用であり、短時間の利用を念頭に設計されています。このような違いがあるため、残念ながらUPSは蓄電池の代用にはなりません。住まい全体で貯めた電気を使いたい方、長時間の停電に備えたい方は蓄電池を選びましょう。
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